「2016年1月10日。グラムロックの帝王である、デビッド・ボウイが癌のため死去。」
「ジギー・スターダスト」を擦り切れるぐらい聴いておりましたT.P.laboの十河と申します。
デビッド・ボウイが亡くなった事で、直前に発表されたアルバム「★Black star」はCDアルバムチャート、iTunesダウンロードチャートの1位を独占したようです。今でこそ音楽をダウンロードして聴くことが当たり前になっておりますが、やはりCDを聴きながらブックレットを隅々まで見渡すことで、音楽だけでは伝わらない、アーティストやデザイナー達のアルバムに込めた想いを少しでも感じ取る事ができると思っております。
私の熱心なファンである皆様はご存知かと思いますが、そうなんです。世の中に存在する印刷物の中で、私が一番好きなのはCDのブックレットなのです。
ただ単純にブックレットのアートワークが好きなだけではございません。紙の種類であったり、特殊な加工をしていたりと、じっくり観察してみると中々に興味深い発見ができます。
そして今回は数あるCDアルバムの中から、私が印刷に深く興味を持つきっかけになったブックレットをご紹介いたします。
Before Today「A Celebration of an Ending」2004
アメリカはカリフォルニア州サンディエゴ出身のアーティストです。現在は名前をPierce the veilに変えて活動しています。
このブックレットの魅力は、アーティスティックなアートワークはもちろんですが、何より折り加工が「階段折り」仕様になっている点です。
CDのブックレットで使用される加工では、二つ折りや外三つ折り、中三つ折りが多くを占めています。
階段折り加工の印刷物はデパートや展示会のパンフレットによく使われていますが、CDのブックレットに使われているものはほとんど見かけることがございません。アートワークだけではなく、印刷加工もあわせて表現するPete Chiltonを皆様ぜひ知っていただきたい。
CDが売れなくなってしまった時代だからこそ、音楽だけを楽しむのはもったいない。ブックレットと共にアーティストやデザイナー達の想いをくみ取ってみてはいかがだろうか。そして印刷という人間の叡智に興味を傾けてみてはどうだろうか。
つまるところ、ダウンロードじゃなくて、CD買いなさい!!でございます。お粗末様でした。